Random thoughts in Japanese. All optinions are my own.

2021/08/30 (Mon.)

  • 週明け、なんとかメンタルを保ったまま一日仕事を終えることができてほっとした。
  • 博論を少しずつ書き進める。3章分内容を埋めて、これでPDF換算でおおよそ70ページになった。9月中に埋めきるのが現実的なラインとして見えつつある。
  • 3週間ほどインターンで仕事をしながら博論執筆や研究もやる生活を続けてきたことになるが、端的に言ってコンテクストスイッチングが激しく、両方に時間を十分に割くこともかなわないことを身をもって体験した。民間と兼業するとキャリアや発想の幅が膨らみそうだというのもわかってきたが、自分の能力では持続可能だとは思えないので、おそらく厳しそうに思う。

2021/08/29 (Sun.)

  • 土曜日は一日横になっていて、今日の朝からは活動が出来るようになってきた。
  • 午前中の時間で読み残していた長尾「人工知能と人間」を読み終わった。途中でフェルマーの最終定理が未解決である節が登場するまで忘れてしまうほど92年に刊行されたとは思えない、2020年代でもまだ価値を持ち続けている情報学の哲学的な疑問を呈している本だった。哲学的な議論に関しては長尾先生が意図的に素人でもわかるようにデフォルメしているのか、それとも本当にご存知ではなかったのか、節々で議論の煮え切らない箇所があった。けれどその段階の議論でも本に残したいほどの伝える意思を持っていた事実に敬服する。長尾先生の残した文章を読んでいると、自分の研究の方向性を良い意味で見つめ直させられるし、まだまだ情報学の研究で純学問的に取り組む価値のある課題が山積していることにワクワクさせられる。たまに読み返したい本だ。
  • 午後は蔵前で気になっていたカフェに立ち寄って、その後は浅草・かっぱ橋までぐるっと一周散歩した。そういえばスーパーとコワーキングスペース、あとワクチンの接種会場以外の場所に行くのは20日振りだった。長尾先生の本について思うことを頭の中で整理したり、ぼんやりしながら歩いていると、重苦しい気分から幾分か解放された気がする。コワーキングスペースと自宅の往復で歩けば最低限の散歩になるかと思っていたが、そうではないようだ。こうやって意味もなく1、2時間歩く時間が自分には必要そうだ。幸いだいぶ暑さが和らぎつつあるので、少なくとも週末は意味のない散歩をする習慣を取り戻したいと思う。

2021/08/27 (Fri.)

  • 2日連続WFHを続けただけでもう何もやる気が起きなくなってしまう。今日の午前中は横になって倒れていた。これではコロナの前に鬱病になってしまう。
  • 西浦先生も5年単位で徐々に元の生活に戻る見通しを述べていた。実際のところ、個人の感覚としてもおおよそその通りだろうという気がする。当初各国が期待していたワクチンに対するデルタ株の驚異や、接種率向上の行き止まりを考えると、結局根本的な解決にはならない。20代後半はこの状況が続くことを想定して、自分の中で大事なものを守る態勢に早く順応しなければならない。

2021/08/24 (Tue.)

  • 朝から論文サーベイ、査読、後輩の文章添削、面接、コード修正、スライド作成、と突然増えた仕事も含めて有り得ない量の仕事を黙々と片付ける。めちゃくちゃ疲労しているが、よくぞ頑張ったと我が身を褒め称えたくなる。
  • まだスライドを作成している途中だが、急ピッチで作業を進めて進捗を出す。終わったら成城石井かどこかに立ち寄ってご褒美を買いたい。あまりにもどこにも行けない状況が続きすぎているので、近くの高級スーパーに行くことが自分の中で非常に大きな楽しみになっている。仕事している最中もスーパーで何を買おうかずっと頭の片隅で考えているし、それしか楽しみがない。

2021/08/23 (Mon.)

  • 区の広報誌に載っていたのを見つけて、寛永寺のお経に関する一般講演の抽選に申し込んでみた。広報誌が意外と頑張っているというか、ちゃんと読むと台東区の文化・健康・交流サービスがとても充実していることに気づく。せっかく台東区に住んでいるのだから、寛永寺だって一度くらい入っておきたい。他にもまだ上野動物園や上野広小路亭も入ったことがないし、こういう場所は思いついたときに行っておかないとあっという間に時間は過ぎ去ってしまう。

2021/08/22 (Sun.)

  • ワクチンの副反応は土曜日のお昼過ぎで概ね落ち着いた。土曜日は朝から発熱していて最高で38.7度くらいまで上がったが、解熱剤を一度飲んだら一気に回復した。だいたい接種してから20時間くらいの間か。
  • 思ったより動けたので、上半期に読んだWeb記事のまとめをした。こうやって見返すと、全然違う経緯で読んだ記事の間にも連関を見出すことができる。こういう知識が構造化されるときが面白い。

2021/08/20 (Fri.)

  • ワクチンの2回目の接種を受けた。これで元の生活が送れるわけではないけれど、2週間経ったら会えそうな友人とは会っていきたい。
  • 中間発表後1ヶ月の間、少しずつ書き始めた博論の2章がとりあえず一通り埋まった。これでこれまでの研究成果で既に埋めた(けどまだ整形していない)部分とあわせて、PDF換算で140ページくらいになった。とりあえず埋まっているというのは文章執筆において良い抗不安剤になる。次の1ヶ月程度でこれまでの研究成果部分を整形するスケジュール感で進めば、夏休みが明けるまでには最終章も軽く書き上げて一応1章以外は埋まる気がする。これなら10月初旬に初稿を完成させるのは決して無理なスケジュールではないだろう。ようやく博論の道筋が見えつつあるので、不安材料が一つなくなった。

2021/08/19 (Thu.)

  • 一週間続いた荒天が落ち着いて、なんとなくお盆後の初秋らしき夕暮れの空気になってきた。この時期になると暑さが幾分か和らいで少し安心する。
  • 本格的にインターンがはじまった。いつの間にか5年ぶりのインターンになってしまった。時間は本当に早い。正直そこまで業務内容に期待していなかったのもあったのか、思っていたよりも自分の興味をくすぐる課題意識が潜んでいたりする。相当忙しい1ヶ月、果たしてどこに着地するだろうか。
  • 5月にメンタルコンディションを崩してからYouTuberをよく見るようになった。最近はまっているのは世界見聞録さん。近現代の人類史上の侵略・戦争行為を非常にわかりやすくまとめていて、こういう硬派な内容でも10万視聴数以上を稼いでいる。プレゼンの仕方もさながら、話し方が非常に参考になる。

2021/08/17 (Tue.)

  • 友人と喋るたびに早く海外渡航や温泉旅行ができるようになってほしいという話になる。彼を訪ねてシアトルまで行きたいし、温泉旅館で夜な夜な社会問題や哲学について語りながら思い切り研究の構想についてディスカッションしたい。正直なところ、もうそろそろ限界ではある。耐えてあと半年くらいではないだろうか。
  • とは言えども今目の前で出来ることを着々とこなすしかない。僕の場合は博論もちゃんと完遂させなければならない。今日は一日コードを書き続けたり、書類仕事をこなしたりしたので悪くはない。このペースを少なくとも夏の間は保つ必要がある。

2021/08/16 (Mon.)

  • あっという間にアフガン政権が崩壊してしまった。にもかかわらず驚くほど国内のテレビではほとんど扱われていない。自分もちゃんとアフガン紛争の経緯を理解していなかったので少し調べ始めたら、思っていた以上に経緯が込み入っていた。実は第一次世界大戦後からずっとアフガンは独立を保っていたことは知らなかったし、近代史で知らないことがまだまだたくさんある。他人を無関心だとか批判できる立場ではない。
  • こうやって歴史に1つの里程標が立てられるのだろうか。今世紀も四半世紀を迎えようとする今、民主主義の衰退、強権政権の台頭、これからどうなっていくのだろう。どこへ進んでいくべきなのだろうか。

2021/08/15 (Sun.)

  • トゥーゲントハット=ヴルフ「論理哲学入門」を読み終わった。おそらく買ったのは5年前だと思うが、特に後半は全くと言って良いほど読んだ記憶がない。論理学における諸概念(例えば「存在」や「同一性」など)を哲学的にどのように捉えるかに主眼を置いた「論理学の哲学」というべき著書であり、全編に渡って内容は全く平易ではない。その中でも少しくらいは残るものがあった。例えば肯定判断と否定判断に明確な区別は実はない(なぜなら論理学的に否定はド・モルガンの法則で肯定判断に書き換えられるので、「否定の」肯定判断と呼ぶべき)とか、文の意味を理解しているとはその文が真となる論理条件を理解していることである、など。

2021/08/13 (Fri.)

  • 今日も無心に博論を4ページ書き進めた。査読などの仕事があるわけでもないので、十分に8時間以上睡眠を取ってから無理をせず。
  • 所用があって汐留に行った。電車は3週間弱ぶり。人通りは想像していたよりもまばらだった。汐留の地下を歩いていると、コロナ以前はフットワーク軽く知り合いと飲んだりしていたのを思い出して、懐かしくなると同時に物寂しくなった。
  • お盆の週末なのでビールとレバーベーストを買い込んだ。どうせどこに行けるわけでもないし、天気も悪いので、酒を飲みながら読書して博論を書く。

2021/08/12 (Thu.)

  • やはり思うようにやる気が出ない。原因に思いを巡らす。書く気の進まない博論と、思うようにいかない研究と、夏休み後半にかけてこれから押し寄せてくるスケジュール。全くもって世の中の社会人はどうやってこの波を乗り越えているのか、検討がつかない。
  • 多忙はある程度は避けられないものとして、少なくとも改善の余地がある要因として、自分の興味がない仕事をできるだけ遠ざけること。今は博論と共同研究を抱えているのでやるしかないのだけれども、メタ的に興味がなくなりそうな事柄に足を取られないように避けられるものは避けるような立ち回りを常に考える必要がある。これは一見消極的だが、自分の内面を真摯に見つめるという観点ではとても有意味に思える。
  • 結局午後からしか体が動かなかった。昼下がりからワインを喉に流し込みながらなんとか博論を3ページ書き進めた。気の進まない物書きは酒に頼るべきという先人の知恵は余りあるほどの知見に溢れている。

2021/08/11 (Wed.)

  • 研究が(少なくとも自分にとっては)かなり自明な方向に収束しつつあって悩む。5ヶ月近くやってきてこの落とし所になるのか。少なくともこの文脈において今到達した計算は知られてはいないので、示唆が完全に無いかと言えば決してそんなことはないのだが、言っていることが僕にとってはインパクトが薄い。こういうときに研究テーマを没にするべきか、それとも少しでも知られていない知見としてとりあえず出版する方向でまとめるべきなのか、自分にはどうすべきか判断がつかない。広い視点で見ればおそらくグローバルには有意味なので出版するのが良いのだろうけれども、自分がそれほどエキサイトできる内容とは言いづらい。かといってお蔵入りさせるのは、サンクコストの観点と、職業研究者として手元の知見を世に明らかにしていく義務から、適当ではないようにも思える。
  • 近年の中国の戦狼外交とアメリカの対中圧力や、ブルジョア資本主義から脱却できずにK字経済に突き進む世界、それに一見関係ないけれど情報分野における国際会議の業績偏重の風潮など、いろいろな情勢についてもやもやと考えていた。どれも結局は囚人のジレンマに陥っているのが問題のように思う。例えば国際会議の話であれば、会議論文業績に最適化するのが研究成果のvisibilityを高めるのには効果的なので大勢がやってしまうと、結果として全体としての研究の質は低下してしまい、本当は全員で会議偏重をやめて研究の質評価を重視するような研究スタイルを目指すのが真の最適解なのではないか、といったように。このあたりはウェーバーに端を発して社会学でよく研究されている話のように思うので、少し追いかけてみたいように思った。

2021/08/06 (Fri.)

  • 今年もこの日だ。広島育ちだと体に刷り込まれたように思い出すこの日が来るときが、広島育ちで良かったなと思う瞬間。
  • 友達がとても良い記事をシェアしていたのでメモしておく。今朝の黙祷中に似たようなことを考えていた。

2021/08/05 (Thu.)

  • 京大の白眉プロジェクトの採用内定情報が公開されたので喋れる。半年前に応募して先月に内定。今年は枠が少し増えて昨年までの平均倍率30倍よりは低くなって倍率20倍だったらしいが、それでもまさかこんなにすんなりと通るとは思っていなかったので、素直に嬉しい。正直なところ、面接の準備が足りていなさすぎて研究提案説明パートはお世辞にもうまくなかったので、告示前は冷や冷やした。
  • 博士課程の間、何度もアカデミアに進むか企業就職するか悩み続けてきたが、直近では白眉が通ればアカデミア、そうでなければ企業、と(少々投げやりな?)方針を立てていた。天の采配ではアカデミアのようなので、むこう数年は純粋研究に重きをおいて邁進することに決めた。研究はまさにマラソンで、途中の道程は生易しくないことがほとんどだが、それでも論文になった瞬間や、研究の過程で自分の知らなかった発見に到達した瞬間など、純粋に楽しい瞬間がある。僕はそういう瞬間自体はとても好きだし、少なくともあと何年か研究を続けて様子を見るのは悪くはないと思う。

2021/08/04 (Wed.)

  • 投稿していた論文の査読結果が返ってきたけれど、相変わらず望み薄だった。3回目の投稿というのもあってそれなりに自分では自信もあったけれどダメか。査読を読んでいると確かにまだ改善すべき点はあるけれど、同時に改善点は原理的にいくらでも絞り出せるとも思う(特にページ制限がある以上パレート最適にしかなり得ない)。まあ最早論文が一本落とされようが特にダメージを受けなくなってきたので、気にせずに再投稿の気持ちでやっていく。Primary contributorで2回以上落とされた(厳密にはまだ落ちたと決まっていないが)のはこの論文が初めてなので、まだまだ付き合いは長そうだ。
  • 先日近所でGoose IPAが投げ売りされていたのをまとめ買いしたので、今日は帰ったらビールで晩酌しよう。シカゴのGoose IPAのタップルームに行ったのも一年半前になる。

2021/08/03 (Tue.)

  • 今日も細々とした仕事や事務作業をこなしながら、少しだけ研究した。思うに手を動かしている時間がある程度あれば気が滅入りにくいので、仕事時間の全てを研究に費やすのは少なくとも僕にとっては得策ではないように思う。今日みたいに1時間程度の細切れの時間でも手元の定理を改善するアイデアは得られたりする。
  • ぼんやりと、ゆくゆくはSteinwart (2007)の拡張をやはりしてみたいと思ったりした。実用的には彼の結果を全可測関数でない仮説空間に制限することはとてつもなく大きな意義があるし、既存のH-consistency関連の研究ではかなり限定された(realizableな)状況しか考えられていない。かつ加えてこの拡張は数学的にかなりチャレンジング(少なくとも測度論と関数解析のアドバンスドそうな内容を要する)なので、向こう2、3年をかけてじっくり取り組む価値はあるのではないか。卒業後はそうした締切に追われることなく本質的で独創的な研究に時間をかけたい。数学の研究なので大きく人目を引くことはないだろうけれど、必要としている人は間違いなくいると確信できるし、僕に解く力量があるかどうかは別にして僕が挑戦すべき課題であるという直感はある。

2021/08/02 (Mon.)

  • 先週終わりにかけて研究の先行きが不透明になったのが堪えて、週末はほとんど横になってYouTubeを見てあまり動けなかった。精神的に結構しんどかった。
  • おかげでQuizKnockを10時間くらいは見た気がする。QuizKnockはサブチャンネルも高頻度で更新しているらしく、メインと見比べてみたりしたけれど、やはりメインチャンネルの動画編集の質が非常に高く、限られたリソースでもアウトリーチに邁進する精神力に脱帽する。サブチャンネルはサブチャンネルで、個人的にはふくらさんがABC予想の解説をしている動画がとても良く、これはメインで(コンテンツや編集力で)ファンを獲得しているからこそ高度な内容でも一般向け動画として成立しているのだと思う。結局のところ、人間は誰しも知らない相手の話には興味がないので、どうやって自分を知って興味を持ってもらうかという努力は相当に大切だということを再確認させられた。
  • 週初めの今日は少しでも調子を取り戻すために、過去に執筆した論文を引っ張り出して博論に切り貼りする作業をした。半日以上かかったけど、とりあえずLaTeXのコンパイルが通るところまでは来た。博論執筆をする気も先週までは全く起きなかったので、これでまず一歩目を踏み出したということにする。