Random thoughts in Japanese. All optinions are my own.

2021/05/31 (Mon.)

  • 研究室で再びlossのCPE vs. direct classificationが話題になった。後でひとりで考えていたら、strictly proper lossのexcess risk rateがhinge/sigmoid/etc.より絶対に遅くなる理由が自分の中で少し腑に落ちた。まずReid and Williamson (2009)のexcess risk bound(Theorem 3)があって、これは所与のCPE thresholdで等号成立するので、バウンドとしてはtight。そして、もしlossがstrictly properであれば式(6)の下限の0-1 excess riskに対する単調変換(あるいはpointwise Bayes risk)が強凸になる。なぜなら強凸でないとp(y|x)の解の一意性が失われるから。そのため、式(6)はBregman divergenceの意味では必ず(強凸性由来の)sqrtの分だけ損をする。それに対してhinge/sigmoidはp(y|x)の一意性を捨てる、すなわち強凸性を捨てることによって、sqrtよりも速い収束レートを可能にする。核となるアイデアは、p(y|x)の一意性とBregman divergence generatorの強凸性が必要十分である点だ。
  • 2年越しにまたとある賞に応募していたが、やはり学内選考の競争率が高すぎて落ちてしまった。別にこういったachievementで一喜一憂するのは本質的ではないけれど、それでも落とされると多少なり落ち込みはする。
  • 昨日はIslay Stormというアイラウイスキーを仕入れたので、一人で晩酌して気を紛らわすことにする。
  • ちなみにIslay Stormはジャケが良かったので手に取ってしまったが、味はアードベッグには敵わなかった。アイラモルトが家にあるだけでもう十分だけれど。

2021/05/28 (Fri.)

  • 論文の締切当日、提出もとうに終えていてそろそろ寝支度をしようかと思ったタイミングで、何故か突然致命的なミスが論文中にあることに思い当たる。ご飯を食べてゆっくりしていただけで、校正していたわけでもないのに。おかげでビールも飲み終わったにもかかわらず再び作業に戻る羽目になって大変だった。突然の修正で変なことをしていないか不安だけれど、ミスがちゃんとこの短時間でも修正できたことだし、これで終わりにして忘れたい。休もう。

2021/05/26 (Wed.)

  • 論文を修正していると自分のやっている研究が本当に意味があるのかと憂鬱になってしまう。研究室のオンラインチャットを盛り上げようと努めている傍らでひょっとしてそんなことは誰も求めていないんじゃないかと訝ってしまう。どうにも素直に自己肯定的になれない。
  • できるだけ朝の散歩とカフェを続けているのだけれど。他人と気軽に愚痴を言い合うことができないので溜まり込んでしまうのが大きいのかもしれない。

2021/05/25 (Tue.)

  • 今日も朝から上野公園。気持ちいい天気で散歩にとても良い。1ヶ月ほど続いたメランコリーな気分もどうやら落ち着いてきた模様。足りなかったのはセロトニンなのではないか。
  • 手が空いたので数日ほど共同研究のことを色々と考えている。手を動かせば動かすほど意外と非自明な結果が出てきて面白い。ただ、頭の中で捏ねくり回すのは楽しいけれど、そろそろ腰を下ろして原稿に起こす必要がある。向こう1週間くらいはこれを頑張りたい。

2021/05/23 (Sun.)

  • 梅雨模様の中で良い天気だったので、朝早くでかけて初めて所沢へ行ってきた。前から訪れたいと思っていた角川武蔵野ミュージアムに行った。
  • 昨年末の紅白でも披露された書庫が一般的には有名だけれど、所蔵している図書が意外にもマニアックだった。マクレーンが置いてあるかと思えばレヴィ=ストロースやデュルケームも陳列されていて、気軽に手にとってそこら中で自由に読める。「野生の思考」は単行本でなかなか購入するに踏み切れなかったので、今日パラパラと捲れてとても嬉しい。もしもっと近くに住んでいたら年パスを買って通い詰めても良いと思った。
  • 佐倉「科学の横道」を週末で一気に読んだ。佐倉先生は半年前の科学コミュニケーションの講義で非常に面白い話をされていて、あっという間にファンになった。本書でも科学と社会の繋がりについて対談を通して取り上げられていた。科学は宗教に代わる現代のグローバル共通的価値観として据えるべきなのではないか、とか、科学的合理主義は優生学のような極論に陥らないだろうか、とか、しかし結局科学の合理性は解の導出ではなく問題提起を行う所に本質があるのではないか、とか、であるからに比較文化論的文献学を援用して社会における文脈と歴史を整理することは非常に科学的なアプローチなのではないか、とか、とにかく色々なことを考えさせてくれた。所沢の田舎道はこんなことを考えながら物思いに耽るのにちょうどよかった。
  • 今日はピアノの先生の九回忌になる。未だに実感が湧かないものだ。僕にできることと言えば、学生の頃に手解きを受けていた貴重な時間のことを思い出すくらいしかない。

2021/05/22 (Sat.)

  • 1ヶ月かけてプラトン「国家」の上巻を読み終わった。同期に勧められて半年前に買った本。そういえばこのときにまとめて買ったデネットとベルクソンもちゃんと半年の間に読み終わっている。偉い。
  • ギリシア哲学は何となく古臭いイメージがあって自発的に触れようとは思わなかったのだけれど、「国家とはどうあるべきか」、紛いなりにもソクラテスの思考の軌跡が綴られていて、一つの問題提起として面白くて読みやすい。良い選書だった。
  • 午後は佐倉「科学の横道」を読み始めた。「国家」にも「科学の横道」にもチャーチルモードの話が出てきたのは何とも言えない偶然。「教会」の名を関しているのに紀元前のギリシア時代から知られていたのか。キリスト教の二元論的思考法の下で、モードが長調・短調に集約されたというのは面白い視点だった。ジャズをやっていたときはミクソリディアンとか出てきた時点でついていけず諦めていたけれど、なぜか今見直すと意味がわかる。
  • こういうささやかな発見が得られるのが良い休日だ。

2021/05/20 (Thu.)

  • 4日連続の朝活。梅雨に入っているかのような空模様なので、雨の激しい季節になる前に活動ポイントを稼いでおきたい。
  • 論文の修正はとりあえず一段落。締切まであと1週間あるので、おそらくそれほど問題はないでしょう。

2021/05/19 (Wed.)

  • 3日連続で朝活。8時半から再び上島珈琲。この生活リズムが良い。
  • 論文の修正やメールの返信、書類の提出がようやく追いついてきたので、少しだけ安堵している。
  • プライベートで本を読む気力もあまりなかったので全く積読が消化できていなかったが、今週から再開できるようになってきたので、欲しいものリストに入っていた本を勢いで3冊購入した。新しく買った本を読みたいという気持ちがあれば、明日をむかえるのが少し楽しくなる。

2021/05/18 (Tue.)

  • 今日も朝から上野公園を散歩して、芸大前の上島珈琲で午前中は作業した。前にも一度言ったことがあったけど、この上島珈琲は建物の雰囲気も良くて、加えて午前中は人がとても少なくて良い環境だ。明日も行きたくなる。
  • 学生相談室にお世話になった。一朝一夕でどうにかなる話でもないので、とりあえず二週間後にまたかかることになった。

2021/05/17 (Mon.)

  • 朝8時に出かけて上野公園のカフェで昼前まで作業した。信じられないほど気分転換になった。
  • その後セミナーで議論したり、急遽入った後輩との1on1ミーティングで情報交換したり、気分転換できた効果を感じる。外出があまりにも重要であることがいたく体感できる。
  • とはいえ近頃の不調は全く楽観視できない。明日は学生相談室の予約を入れたので、東大生活9年目にして初めてお世話になる。

2021/05/16 (Sun.)

  • なんのやる気も出ず、三日三晩ベッドの上でYouTubeばかり観る生活が続いている。最低限の自炊と洗濯と買い出しだけしかできていない。
  • 自宅で作業することの限界を迎えている。誰もいない空間で何日も過ごしていると気がおかしくなってくる。
  • 明日は久しぶりに出かけてカフェに籠もって作業してみようか。そうでもしないともう何もできない気がする。
  • 論文は遅々として進んでいないが、幸い2日締切が伸びた。論文だけなんとかして、来月に入ったらしばらく休養を取りたい。

2021/05/11 (Tue.)

  • 東京に帰宅。2021年は今日で130日経過したけれど、ふと数えてみたら京都にはだいたい50日くらいいたらしい。
  • 5月の残りは論文修正だろうなあ。幸い他の仕事はなさそうだし、論文に集中しつつ根詰めすぎないようにしたい。

2021/05/10 (Mon.)

  • 僕はたまに雑に「価値観が合う」という言葉を使ってしまうことがあるけれど、価値観が合うというのはどういうことか。週末は普段意識しないそんな話をきちんと言語化することができた。言語化は簡単なことではないだけに、時間のあるときにやっておく必要がある。
  • 京都に来てから3週間前経った。明日東京に戻る。大変な時期だったけれど、大切な人と楽しい時間を過ごせた。貴重な時間だった。

2021/05/07 (Fri.)

  • 論文修正がいよいよきな臭くなってきた。先方が我々の論文のミスを指摘してきたので、できるだけ誠実に返答をしながら手元で修正と確認を進めていたのだけれど、先方が我々の返答を受け取るやいなや、まだ此方が手元で修正している途中の内容と同じ内容をすぐに新しいテクニカルレポートとしてarXivに上げてきた。矢面に立ってコミュニケーションを取っているのは向こうの学生だけれど、指導教員はあの有名な教科書も書いている大御所なので、さすがに研究倫理としてどうなのかと思わざるを得ない。元々はこちらが公開した論文に誤りがあった手前強く出られないのだけれど。
  • 元々このチームが2019年頃からrobustnessに関する研究を本格的にしていることをあまり知らなかったので、どうやら今回は虎の尾を踏んた形になってしまったらしい。自分の指導教員も「あのグループは前にも揉め事を起こしているからあまり関わらないほうが良い」と言っている。Robustness周りは折角面白いアイデアをいくつも頭の中に持っているフィールドであるだけに、先行きを考えると気が重い。

2021/05/06 (Thu.)

  • 連休明け、久しぶりにルーティーンの論文読みができた。ようやく本調子に戻ってきたような気がする。
  • 連休中に時差の都合上、眠い目をこすりながら論文の修正をして即レスを返そうとしたら、間違えてpush前のGitのブランチごと削除してしまい、1週間分の作業内容が完全に消えてしまったかと冷や汗をかいたのだが、なんとGitにはreflogというコマンドがあって、これが任意のコミットを記録しているらしい。おかげさまでブランチを復元して事なきを得た。とても焦った。

2021/05/04 (Tue.)

  • 論文の問い合わせに対する返答をなんとかまとめて、修正稿を共著者に回した。これでひとまずなんとかなっていると信じたい。自分の中では一段落ついた。
  • 連日親と電話をして、今後について穏やかとは言えない話を交わした。まだ到底理解が得られた段階ではないけれども、自分で決めたことなら一歩ずつ価値観の違いを埋めていくべく説得していくしかない。
  • 傍にいる人たちに支えられて、また連休で休息を十分に取っているおかげで、次第に沈んだ気持ちから元に戻りつつある。自分の価値観と必ずしも同じとは限らないけれど、少なくとも尊重してくれる人間とコミュニケーションを取ることは大事だ。