Random thoughts in Japanese. All optinions are my own.

2023/05/31 (Wed.)

  • 今朝も裾確率を抑えるのを頑張っていたら、今度こそきちんと証明ができた気がする。何度目の正直か。原稿に起こしている途中だけれども、今度は合っていて欲しい。
  • 白眉の同期会だった。企画したのは自分だけれども、正直飲み会が多すぎるタイミングだったので行く前はこのタイミングに設定したことを心底後悔していたけれども、結局行ってみると盛り上がって雰囲気が楽しめてしまうものなのだよなあ。どうにかして飲み会の数を抑えつつ、でもこういう機会も大事にしつつ。バランスを取りたいもの。

2023/05/30 (Tue.)

  • 昨日示せたような気がしていた集中不等式を長野さんのところに持っていって喋っていたら、計算ノートの途中に式の写し間違いがあって成り立っていないことがわかった。まあ人生そんなものだよなと思う。

2023/05/29 (Mon.)

  • 週末を挟んで頭の中でぼんやりと考え続けていた時間発展する行列のノルムの集中不等式が示せた。この過程で Hanson-Wright inequality、Gronwall’s inequality など、知らない道具を知ることができた。最終的にはやはりランダム行列の理論(といっても本質的には単に中心極限定理ではあるのだが)が必要だった。数日悩んではいたが、この悩み抜く時間があったお陰でランダム行列の気持ちに少し近づくことができたような気がする。
  • 研究室のセミナー、学生さんが優秀で、質疑応答でグラフ理論に留まるどころか代数幾何の文脈もスラスラと持ち出して議論をしていて、自分には全くついていくことができない。逆に言えばまだまだ学ぶことが多いというポジティブな見方もできるのだが、僕が遅々として進んでいない間に彼はずっと遠くまで既に到達しているのかと思うと、果たして僕がこの業界にいる意味があるのかどうか、と考えずにはいられない。

2023/05/28 (Sun.)

  • ここ最近は別に締切に追われていたわけでもないのに仕事でやたらと体力を消耗しており、先週末は東京に行っていたのも相俟って疲労が蓄積し続けていたので、今週末は大人しく休養していた。ほとんどどこに出かけるでもなく、近所のカレー屋とカフェに出向いて静かに時間を過ごした。

2023/05/26 (Fri.)

  • 朝研究室に到着して学生と雑談していたらそのまま研究の議論に発展して、カバンをデスクに置くまで 2時間議論を続けて小さな定理の照明がひとつできた。すごく大学っぽい生活でとても良い。朝からひとつ定理ができるとそれでもう一日やらなくてもお釣りが来ている気持ちになれる。
  • 定理の内容自体は、連結グラフのが木であることとそのグラフの全域木の個数が 1 であることが必要十分であるという内容。左向きがそんなに自明ではなくて、きちんと示そうとするとサイクルを持つようなグラフを考えて、そのグラフから作った全域木は枝を足し引きすると別の全域木が構成できることを示すことになる。
  • 小俣さんから誘われていた翻訳学セミナーで発表をした。言葉を扱う難しさをひたすらに直面させられる時間だったのだけれども、聴講でいらっしゃっていた出版社の編集者の方の博識水準が尋常でないほど高くて舌を巻いていた。僕は「プラグマティズム」という言葉をジェイムズを一冊読んだくらいの了見で無邪気に語っていたけれども、パースやデューイを踏まえてプラグマティズムが定義上は価値を外在していることを指摘してもらった。もちろん人生経験が違うのだから単純に比較はできないけれども、思考の量が違うことを明確に感じる。言葉で表すのは難しいのだけれども、こういう知識人を目指したいという気持ちが強まる。

2023/05/25 (Thu.)

  • 研究室用に買っていたメカニカルキーボードとモニターボードとブックスタンドが届いた。あまり作業環境を過度に充実させるのは好きではなかったのだけれども、こうやってラップトップをクラムシェルモードにして、作業中に同時閲覧したい資料をブックスタンドに立てると、机が広くなって快適になった。少し気分転換にもなって嬉しい。
  • 研究は相変わらず進まないのだけれども、昨日は Gaussian equivalence theorem の論文や Vershynin の教科書を読んだり、今日はランダム行列の熱力学的極限の取り方についてゆっくりと考える時間はとれた。何か成果が得られたわけではないけれども、極限を取るために乗り越えなければならない課題は段々と言語化されてきて、そのために読んだほうが良さそうな文献もなんとなく検討がついてきている。明日はたぶん NTK の論文をちゃんと読む必要がありそうだ。目に見えるアウトプットがすぐに得られているわけではないので辛抱の必要な段階ではあるけれども、こうやってきちんと論文を精読する時間がとれているのは逆に言えば充実した時間の使い方なのかもしれない。

2023/05/24 (Wed.)

  • 勾配流解析の研究が停滞し続けている (2023/05/10)。正規化ランダムベクトルの分布をどうにか導出できないかと 2週間考えたけれど、さすがにそれは厳しい。独立次元でないガウス積分になってしまい、モーメントの計算をほとんど受け付けない。仕方ないので熱力学的極限を取る方向性を模索しようとしている。これはこれでやったことのないタイプの解析なので、昨日からゆっくりと Gaussian equivalence theorem などの関連論文を漁って読んでいる。しかし今の問題に使えるのかどうかがよくわからない。

2023/05/23 (Tue.)

  • 3日の東京(+ 名古屋)旅から戻ってきたが、さすがに 20代前半のときのようにもいかなく、翌日にも疲労が尾を引いている。週末に元指導教員に久しぶりに会ったときに、最近は毎日 10km ほどのランニングとウェイトリフティング 90kg を継続しているという話を聞いて、よくもまあそんな体力があるものだと感嘆してしまった。
  • 研究室で学生さんと朝から修士学生の難しさの話をしていた。特に M1 の夏学期に至っては、始まったばかりで講義と課題も多いし、研究室のセミナーに自主ゼミもこなさないといけないし、極めつけに就活とインターンの応募を同時並行で何十社もやらないといけないという話で、よほどの超人でない限りは精神的に滅入ってしまうだろうと思う。自分としては就活の評価のように変に評価基準を外在化させずに、自分が本心から好きだと思えることに注力して、もしそれが例えば就活で評価されないのであればそれはマッチングが悪かったと諦めるくらいの楽観的な態度で構えるくらいでよいとは思うものの、一方でそういった自分の「好き」を持っていて、それを自己認識することを学生さんに普遍的に求めるのも酷であるような気はする(特に前者)。教員としてはできれば「好き」を引き出したり、共感してもらったりできるように、日頃から何かの材料を提供できれば良いんじゃないかと思ったりするけれども、それがあまりに一方向的になりすぎると学生奴隷のようになってしまいかねないし、ここまで考えると現状としては教員側は放置するのが局所最適になってしまう。理想的に言えばそういった学生さんが教員に求める指導方針は大学院に入るタイミングである程度相談したほうが良いのだろうけれども、しかしまあどういう指導スタイルが合っているのかすらもやってみないとわからないわけで。ひたすらに難しい話である。

2023/05/22 (Mon.)

  • 自分の研究を手がかりに学内から問い合わせをくれた学生さんがいて、研究室を越える研究活動になるので指導権をどうするかなどちょっと面倒な意思疎通があったけれども、無事に問題ないことが確認できたので、学生さんと少しずつテキスト越しでディスカッションをはじめている。今日はニューラルネットワーク解析のひとつのレジームである dynamical isometry について教えてもらった。僕は恥ずかしながら知らなかったのだけれども、ちゃんと見ていると実は Saxe et al. (2014) ではじめに提唱されている概念だった。言っていることはそこまで難しくなくて、勾配消失が起こらないための損失の landscape の条件は何なのかを記述するのが動機で、それが loss landscape の Jacobian の特異値分布が定数スケールになっているということ。正直 7年も業界にいてまだこんなにもたくさん知らないことがあるのは反射神経的に恥ずかしいと思ってしまうけれども、それを元気のある学生さんから教えてもらえるのは大学教員の役得だし、そもそも知らないことがなくなってしまったらもうそれ以上楽しいことはないわけだし、これはこれでポジティブに捉えられることだと思う。

2023/05/21 (Sun.)

  • 昨日の夜、大西くんと幡谷くんと会ったときに言われたことを思い出す。曰く、「教員は学生に対して構造上強い立場にいるから、接するときは前提として絶対に批判的になってはいけない」と。一日以上経っても自分の中で腑に落ちず、しかしそれでいて反芻され続けているということは、僕自身にとって重要な示唆を含んでいるということなのだろう。僕はまだどうすれば良いのか全くわからない。例えば研究の相談に乗っていたとして、学生さんのアイデアが僕自身が本心では面白いと思えなかったときに取り繕って面白がったりとか、自分だったらそのアイデアをどうやって建設的に発展させられるかを考えるとか、そういうことはできる気がしない。僕のいまのスタンスとしては、むしろ僕が面白いと思えるように説得して欲しいし、仮に説得できなかったとしても、それでも本人は本心から胸を張って面白いと思えるような思考の蓄積をして欲しい。きっとそれが一人ひとりが生きていく上での個人の軸になると思っている。
  • 言葉遣いに気をつけるべきという側面の方が多いかもしれないのだが、それであったとしても無条件で批判しないように接するのは逆に危険ですらあるのではないかと思ったりもする。どこまで主体的な自由を担保して、どこから先は進むべきでないと箴言するのか。ひとつの考え方としては、大学という空間では皆大人なのだから、教員も学生もお互いに管理し合うべきでない、自己責任的であるべきという考え方かもしれない。それなりに的を得ている考え方のようにも思うけれど、「教育(機関)」という(ある種の責任を内在化した)言葉に邪魔されているような気もする。

2023/05/20 (Sat.)

  • 今日は船井研究奨励賞の褒章式で東京へ。それに託けてアメリカから帰ってきている友達と会ったり、ちょっと気になっていた森美術館のヘザウィック・スタジオ展に行ったりと、情報密度の高い一日だった。とりあえず昨日ディスカッションしたDM分解の話を共同研究者に伝えて面白がってもらえたので成果上々。褒章式に来てまで即座に研究ディスカッションをやっているの、なかなかに尖っているとは思うが、でもそれくらいの勢いの方が楽しいのではないか。昼酒の勢いでそのまま研究室の学生さんの指導方針についても意見を交わしたりした。なかなか学生さんの指導方針に関しては相談する相手が物理的には周りにいないので、こういう場に来ると非常に盛り上がるトピックの一つ。

2023/05/19 (Fri.)

  • 昨日に引き続いて今日は月曜日のコンパ (2023/05/15)での研究の話の続きをしに岩政さんのところに遊びに行った。遊びに行ったといっても職場の同じフロアなのだが、それでも普段は(自分が学科の講義や教務に関わっていないのもあって)全く交流がなかったので、コンパのような機会があったのはよかった。自然言語処理の方でぼんやりと考えていた研究をなんとなく話していただけなのだけれども、思わぬアルゴリズムが作れそうな雰囲気がしてきた。こういう瞬間がやっぱり研究者をやっていて嬉しくなる瞬間だ。偶然にも明日は共同研究者と会う機会があるので、明日も(本当の用事とは関係ないけれども)面白そうなディスカッションができるかもしれない。

2023/05/18 (Thu.)

  • 某研究集会が大学で開催されていた関係で知り合いが京都に何人か来ていたので、仕事の合間に呼び出されて連休中の数学の成果を聞いたり(これが本当の最先端!)、仕事の後に呼び出されてキャリア相談に乗ったりした。こうやってふらっと人が流動的に立ち寄って、しがらみもなく面白い話をすることこそが、この家業の醍醐味のひとつなのだなあと感じる。贅沢なことだ。

2023/05/17 (Wed.)

  • 母親に大腸がんが見つかったとの報せがあった。それも早期ではもはやないような進行度らしい。確かに親だっていつかは病気になったりするのはわかってはいるが、こういうことは自分ごとになるまで全く想像もしない、正常性バイアスが働いているから、まさかこの日が来るとは思わなかった。この先の生活はどうなるのだろうか。不確定要素が多い。

2023/05/16 (Tue.)

  • 半年ぶりの白眉セミナーが再開した。コロナもそろそろ落ち着きを見せつつあってか、半年前よりも参加者がかなり増えて盛り上がっている。13期はこれまでにいなかったような政治学者や人類学者がちらほらいて、同じ人類学のトピックに対しても政治学的な見方、農学的な見方、様々な見方から切り込んだ議論が起こって、自分は傍から見ているだけで議論に飛び込む鋤がないのだけれども、聞いているだけで人類学に関する解像度があがっていくのを感じる。
  • 人類学的な見方として「human-land relationship」というのがあるようだ。曰く、宗教、農業、言語、医療、あらゆる人間的営為が土地を仲介者として神と結びつくという見方らしい。この見方もある意味では人間の活動を「土地との関係」という一つの軸で説明しようとする、普遍性を希求する営みなのだろうか。

2023/05/15 (Mon.)

  • COLT2023に論文採択!今回の論文の総括は投稿時 (2023/02/10)にしたのだけれども、実作業時間は1ヶ月程度だろうか。かなりスムーズに通ったと言える。明らかに面白い結果ではあると自負していたので、もちろん採択通知直前は多少ナーバスになっていたけれども、通るような気はしていた。後知恵バイアスではあるけれど。いずれにせよ、COLTは2020年 (2020/05/26)に続いて2回目の投稿、そして2回目の採択で、2回経験を積むと受容される研究の様相がだいぶ掴めてきた。
  • 今日は計算機コースのスタートコンパ。コロナが3年ほど続いていたので久方ぶりの開催だったようだが(当然自分が着任してからははじめて)、他愛もない話をしているかと思えば突然有意義な研究の種に遭遇したりと、やはり大学教員の飲み会は侮れない。ここ最近飲み会続きで今晩はちょっと気乗りしなかったけれども、まあ結果的には来ておいてよかったと思う。

2023/05/12 (Fri.)

  • 宗教学プロジェクトのディスカッション会、そしてそのまま飲みに行って、メンバーと6時間ほど科学哲学と宗教学みたいな話をし続けていた。白眉に来てからここまで踏み込んだ(表層的に留まらない)分野横断的な議論をできたのははじめてだったと思う。正直全くプロジェクトの中身がまとまったとは言えないと思うけど、中身がまとまった=成果物だろうから、議論して疑問提起することに意味があると思う。それと同時に自分の中で言語化できない、上手に例示ができない課題意識が凝りとして残り続けている。このアンビバレントな状況をどうにか打開したい。
  • 話をしていると、たしかに表層的な異分野融合、文理横断的な話が多すぎて、猫も杓子も学際研究と声高に叫ぶのは違和感がある。デジタル・ヒューマニティーズだって革命的かと言われると全くそうではないと思う。でもそうではない自然科学の根底の価値観まで切り込んだ分野横断的な研究はそもそもどこの分野でも認められる土壌すら整っていないから、オカルト扱いされかねない危険性がある。そこが難しいけれども、皆白眉の間でないときっとこんな仕事は後にも先にもできないだろうという気持ちは共有している。

2023/05/11 (Thu.)

  • ひとりで昼ごはんを食べに行こうと大学を歩いていたら偶然長野さんと遭遇して、その場で議論がはじまった。連休中に自分が計算に詰まっていたところに対して自分が考えていなかった方向性の知見を提示してくれて、なんとか先に進めそうな目処が少し立った。長野さんと話すだけで研究が少し進む。こんなに代えがたい共同研究者はなかなかないだろうと思う。

2023/05/10 (Wed.)

  • vMF分布を半月ほど考えてきたが、根本的なところが間違っている気がしてきた。多変量正規分布を正規化しても vMF 分布が得られるわけではなくて、あくまで多変量正規分布を「ノルム=1 で条件付け」したときに vMF が得られる。ランダムベクトルを正規化した確率変数が従う分布を導出するのは一般にかなり難しそうで、適当な文献も見当たらない。この半月の考察のかなり根幹が揺らいでしまったので、どうしたものかと途方に暮れている。
  • 研究が停滞期に入っている。どうやったら次の一歩が踏み出せるのだろうか。

2023/05/09 (Tue.)

  • 「情報学に留まらない学問」に一歩踏み出したいと口では言うものの、具体的に何をしたいのかを言語化しようとすると一挙に曖昧模糊となる。課題意識はあるのだけど、それを実装可能な粒度に言語化できない。昨日もインタビュー中にうまく喋ることができなかった。哲学が問題提出自体を目標とする学問であることを鑑みるならば、こうやって思考を重ねること自体に意義があると言えなくもないかもしれないけれども、それだけでは納得がいかないのは計算機科学者のエゴだろうか。

2023/05/07 (Sun.)

  • 連休後半2日はほとんど休んで過ごした。休みすぎると逆に疲れるもので、やはり昔みたいに休むなら休むでカフェで本を読むとかそういうことをしたほうがよかったのかもしれない。まあ家でダラダラする日というのも普段ほとんどない以上、たまにはこういう日を作っても良いかもしれない。
  • 「1969年再考」という展示が時計台展示館で行われている情報を聞きつけたので、一乗寺での用事のついでにちょっと立ち寄った。当時は学生も、そして誰よりも教員が大学の意義を問い直さざるを得ない状況だったのはよく伝わってきたのだが、何が彼らの目をそこまで「存在意義」に向かわせたのだろうか。存在意義というのは強烈な自我の裏返しであり、何かしらのメカニズムで自我の発達が急速に促されたのだと思うのだが。

2023/05/05 (Fri.)

  • GW中も計算し続ければギリギリ論文の締切に間に合わなくもなさそうだけれども、既に消耗してしまっていることに気づいたので、これ以上無理やり締切に間に合わせるのはやめることにした。締切ドリブンで研究したり休日を仕事につぎ込むのはやめようと決めたはずだったのに、どこかの時点で昔のマインドに戻ってしまっていた。
  • 周りを見渡すとちらほらと尋常でない生産性で論文を出し続けている人がいるけれども、彼らと肩を張りあうのが自分にとって必ずしも良い戦略かと言うと、たぶんそうではない。僕自身は機械学習の研究をやっていくことにはもちろん興味はあるけれども、それと同等くらいにもう少しメタ的な視点から科学哲学方面の思索に興味がある。そのためには一定の心の余裕が必要であり、機械学習研究に生活の全部を捧げるのはよくないことだと思う。

2023/05/04 (Thu.)

  • GWらしいことを少しくらいするか、ということで、今日は午後に妙心寺に寄ってきた。花園界隈という京都の中でも絶妙に人が集まらなさそうな場所という想定通り、連休中にもかかわらずほとんど混み合っていなくて静かな雰囲気にひたれた。桂春院の庭園を眺めるだけで充実した時間になってしまう。

2023/05/03 (Wed.)

  • GWに入ってニュースでは新幹線が想像を絶する混雑さを呈している様子などが報道されているが、自分は今のところ自宅から1km圏内だけで生活をしているので普段の休日と何らの変わりはない。さすがに人混みに揉まれてまで旅行をしたいとは到底思えない。論文の締切前というのもちょうど良いので、この機に残った解析と議論を頭の中でまとめている。
  • Fisher-Bingham分布のモーメント計算は一般には非常に困難だけれども、先日長野さんから貰ったアイデアに基づいて考えていたら、うまいことvon Mises-Fisher分布のモーメント計算に帰着可能そうであることがわかってきた。途中で誤差関数を活用して変数変換するテクニックのポイントが高い。これだけでかなり面白い。

2023/05/02 (Tue.)

  • 先月の花見 (2023/04/03)の席で盛り上がった流れで、小俣さんと細々とやり取りを続けていて、今日はオフィスにお邪魔した。曰く「人文学的なアプローチを自然科学に逆輸入する」野望をプロジェクトとして打ち上げたいとのことで、その点には共感することが数多くある。おそらく自分が白眉に来た最も大きな意味は、従来型の自然科学的価値観を問い直す時間を手に入れることだろうと思っているので、たぶんこの話には難しいことを考えずに乗っかったほうが良いような気がする。果たして何が生まれるのだろう。
  • 食堂で一人黙々と食べていると、後ろの一回生と思しき学生さん二人が「初めて卵を使った料理をしたんだ」みたいな話をしていて、そうか、一回生の人たちはまだ一人暮らしを始めて一ヶ月くらいしか経ってないタイミングなのか、と当たり前のことに気づいた。自分が大学に入って上京した直後はひたすらにがむしゃらで、気づいたら2年ほどあっという間に経ってしまっていた気がする。それも10年前の話。

2023/05/01 (Mon.)

  • 週末から高速で原稿を書き始めて、今解析パートで3ページ。書き出してみると結構いかつい見た目の原稿になってきた。書き上げた原稿を見ていると1ヶ月ほど思索を重ねてきたことは無駄ではなかったんだなということが感じられるので嬉しい。
  • 今日だけで2方面の全く関係のない界隈から自分のブログを読んだ報告をもらった。やはり思っている以上に読まれるものだな。皆丁寧に読んで感想までくれるので、なんというか自分のほうが人間に対して過度に悲観的だったと感じる。自分ではマメに書いているつもりなのに、気づいたら四半期くらい更新が途絶えてしまうこともザラにある。文章を書き続けるのは容易ではない。