Random thoughts in Japanese. All optinions are my own.

2020/09/30 (Wed.)

  • 9月も終わった。今年も残り3ヶ月。
  • Skorchが素晴らしいと自分の中で話題に。昨日は自作のlossをSGDする学習器を元にundersampling + baggingを実装したけれど、imbalanced-learnのundersamplingやscikit-learnのbaggingをパイプラインで繋げて手軽に綺麗に実装できた。このあたりのAPIはscikit-learnが洗練されていてかなり偉い。
  • 今月はできるだけニュースをたくさん読むように心がけてみた。1ヶ月前よりは社会情勢に対する解像度が少し上がったように思う。とりわけ投資や株式に関する知識を少し勉強したことで、企業業績や国家政策の良し悪しを判断する基準を自分の中に養う手がかりができつつある気がする。

2020/09/29 (Tue.)

  • メモを継ぎ接ぎしてなんとか論文を7ページ埋めた。実験さえ終えれば残りも埋まりそうだけど、記法や定義の一貫性が取れていないので、ストーリーの推敲の前にそれなりに大規模な修正が必要だ。あれ、ひょっとして結構時間がない?
  • 今日は実験のジョブを投げたり、スライドを作ったり、論文を埋めたり、効率的に時間が使えたと思う。少々火事場の馬鹿力感がある。
  • ここにきて前々からやりたいと思っていた計算量理論の勉強会がやりたくなってきた。Kalai et al. (2006)Feldman et al. (2012)あたりを読みながら、超平面のagnostic PAC learningに関する見識を深めたい。締め切り前にやりたいことが心のうちから溢れてくるのは世の常だ。

2020/09/28 (Mon.)

  • 夏休み明け一発目のセミナー発表。内容がdenseでかつかなりマニアックだった割には面白がってくれた人がそこそこいたような気がするので良かった。今回のスライドは力を入れてわかりやすくしたので達成感は大きい。
  • 久しぶりに研究室に一日いた。もちろん他には誰もいなかったけど。長年続いていた理学部三角広場の工事も終わってスッキリしたし、秋晴れの空も心地よくて良い日だった。

2020/09/27 (Sun.)

  • NeurIPSはrejectだった。スコア自体は9/7/7/6/6で悪くはなかったが、数人の査読者の印象が良くないのは査読コメントからも伝わってきていたので、落ちたことについては大きく驚くことはなかった。とりわけ査読が理不尽だとも思わなかったし、一方で今回の投稿論文の質に対する自負はあるので、粛々と修正して再投稿する所存。
  • 明日から研究室活動が再開だ。相変わらず自宅での研究生活は続く。

2020/09/25 (Fri.)

  • 痩せすぎと言われがちなので、ウェイトゲイナー用のプロテインを買った。3キロあるので、プロテインを溶かす過程自体がプチ筋トレ。
  • 3ヶ月前もそういえば社会貢献がどうの、みたいなことを考えていたなあ。まあ結局は社会貢献というのは対価を要求する行為で、例えば企業経営においても最近はESG投資が流行っているわけだけど、その場合においては社会貢献はお金を集める客寄せパンダみたいなもの。個人レベルでは社会的立場の向上等が対価になるだろうけど、そういう対価を受け取ったところで本質的に幸せになれるかどうかは微妙だし、自分にとっての幸せとはなにか、を常に見つめ続けたほうがいいですね。

2020/09/24 (Thu.)

  • サークルの先輩のPodcastを聞いて、自分の今後どうするかいろいろ考えてしまった。自分にはそんなビジョンがあるのかな。最近ニュースをきちんと追うように心がけているのも相まって、社会貢献的なことも考えてしまう。でも最終的には自分がやりたいことじゃないとモチベーションが保てない。同世代の多くは働いている。得も言われぬ焦燥感がある。
  • いつから就活をするのかもよくわからないので、だんだん興味のある企業の採用情報を見る頻度が増えつつある。10月に入ったらそろそろダイレクトコンタクトを取りたい気持ちがある。
  • 今日はアブストラクトとイントロの前半を書いた。イントロと関連研究を書ききれば、手法部分はメモ書きがあるので一気に執筆が進むはず。

2020/09/23 (Wed.)

  • OakForest-PACSのアカウントが手に入ったので、試しにいまの研究の実験コードを回してみた。Xeon Phiなので仮想272コアもあって、scikit-learnのn_jobs=-1で全部使い切れるのが気持ちいい。バルクジョブを投げれば10ノード同時に複数シード実行もできて良い。このタイミングで使えるようになったのは僥倖で、実験が高速化できるので嬉しい。
  • なんと来週でもう夏休みがあけるらしく、セミナー一番手だったので、スライドを作り終えた。いままで使っていたスライドテーマを一新、わかりやすくてデザイン的にも見やすいと自負できるスライドができたと思う。自己満足。
  • これで論文執筆以外の雑務は片付けた気がするので、あとは実験と論文執筆に注力する。実験回すのもいいけど、さすがに論文書かないと。

2020/09/22 (Tue.)

  • 4連休の終わり。友人と談義したり一人で思索に耽ったり、のんびりとしていて良い休日だった。ここ2週間ほどは気持ちが落ち込むことも少なく、のんびりとして気持ちの良い日々。なんでもないことを考える程度の余裕があるのが良いのかしら。

2020/09/21 (Mon.)

  • ひょんなことから実は祖父も研究者だったことを知った。本当だったら今春に中国で開催されるはずだったワークショップにあわせて祖父母の顔も見に行こうと思っていたのに、想定外のCOVID-19のタイミング。人生いつ何が起こるかわからないし、やりたいことは先延ばしにしてはいけない。

2020/09/20 (Sun.)

  • 昨日の続きみたいな話。選択的夫婦別姓制度について賛否両論あるのが不思議だったので少し前に調べてみたところ、大化の改新から連綿と続く家制度に基づく家族観とそれを明示的に定めた近代の民法と符合しない、というのが反対意見としてそれなりに筋が通っているように感じられた。賛成派は「嫁ぐ」「娶る」といった古来の家族観に代わる自由主義的な家族・恋愛観を受け入れてほしいという気持ちが根底にはある(僕はある)と思っていて、結論的には価値観の不一致が発生している。
  • このあたりの価値観の変遷において歴史的には大きいと思われる転機が、GHQによる占領と昭和天皇の人間宣言ではないかと思われる。もともと島国として孤立していた日本は単一王朝が非常に長く続いてきたのもあり、天皇制的家族観のもとで家制度が正当化されてきたのだろう。その結果、国家や君主の権威性が強く根付き、価値観のアップデートがなされる機会に恵まれなかった。それが大きく変化したのが太平洋戦争での敗戦と占領で、外的な力で新しい価値観に強制的に触れることになった。もちろん別の価値観に触れたからといって人間の考え方が一朝一夕にして変化することは考えられないが、今年は戦後75年、おおむね三世代程度の世代交代が起こっているため、徐々に新しい価値観に移行しつつあるのだと思う。
  • そう考えると、75年という節目に立つ現代というのは、価値観のアップデートという観点からはとても面白い時代だと感じた。
  • 閑話休題、選択的夫婦別姓制度が承認されるか否かは、この国が自らの価値観をアップデートするかどうかの意思決定に紐付いていることになるだろう。
  • 付け加えて、多様な価値観が交錯することでよりよい価値観へのアップデートがなされる過程は、さながら遺伝子交配によって多様な生物種を生み出す生殖の過程にも相似しているように見える。生物学的には外的な環境変化により素早く適応するには「単一生殖」よりも「有性生殖」のほうが良いと考えられれているようだし、これは価値観のアップデートでも似たような結論付けができるのかもしれない。

2020/09/19 (Sat.)

  • 連休初日、美容院から銭湯、ビアホール、ギャラリー、イタリアン、JPタワーをハシゴした。こんなに詰め込んだ一日は本当に久しぶり。
  • 銭湯で大学同期と会ったり、ギャラリーで高校同期と会ったりした。そういう話ができる人たちを選んだというのもあるけど、最近いろいろ考えている政治的関心事について、経済や社会学、教育、イデオロギー的な話を一日中していた。学びが多い。
    1. 政治評論やジャーナリズムを行う(に限らず社会活動何をするにもそう)にあたって、自分の立場ないしイデオロギーを明確化しなければいけない。経済学の知見から言えばあらゆる政策にはトレードオフがつきまとう(すなわち集団Aが利すれば集団Bは不利益を被る)ため、自分がどこを支持するのか、何を正しいとするのか、の視点がなければ論理的主張にはなりえない。それを欠いたジャーナリズムは扇動的な感情論。
    2. ルソーの『社会契約論』に則ると全員一致の契約に基づいて富める管理者が大衆を「管理」するのが自然状態から国家が形成する過程であり、管理構造の下では大衆が構造への参画も求められる。本邦が欠くのはこの部分のように思われて、たとえばトリクルダウン理論・リフレーション的発想に従って近年は大企業・投資家といったブルジョワジー層の水準を引き上げることに成功しつつあるが、行政が春闘介入などを行っても依然賃金上昇水準が物価上昇水準に追いつかない。企業の利益剰余金は2倍近く増加しているにもかかわらず。一つにはコーポレートガバナンス(トップダウン)が未だに不十分なこと、二つ目にはやはり民衆からのボトムアップな力がここには必要不可欠なのではないだろうか。社会「契約」というのは双方監視のもとで成立するものだろう。
    3. 同時に、『社会契約論』を含めたそういう発想は一部の高等教育を十全に享受するに能ったリベラルのみが持ち得る発想で、民衆ははじめからそんなものは望んでいないかもしれないし、望むという発想すら持ち得ないかもしれない。蓋しリベラルの要求は自らのエゴなのではないか。ここで友人の言葉を借りると、第一には、社会契約論は元来ニュートンがりんごの落下を観察して運動方程式を帰納的にモデリングし得たのと同様に、ルソーが既存社会の観察を通じて社会のモデリングを成したものと考えることができるようだ。つまり統治構造の経験則のようなものだ。第二には、従来の封建的・貴族的政治からの脱却を目指して権力を奪取したエリート達が、自分たちの権力行使の結果封建的社会に回帰することを恐れて、自らに楔を打ち込む形で契約を施行したという考え方もできる。だからこそノブレス・オブリージュを伴うエリート主義というのは重要視されるし、おそらく本邦(を含めてアジア圏)ではその意識が弱い。このあたりは社会学・政治学の未熟さゆえなのではないか、とも考えられる。
    4. 最後に、では管理される側も巻き込んだ社会契約をどのようにエリート側が施行するか、という点についてだが、インセンティブデザインに帰着されるのだろう。具体的な話をすれば昨今のマイナンバーカード制度、国勢調査など、インセンティブデザインがうまくなされないと民衆は想像以上に動かないし、そうした例は枚挙に暇がない。行政というのはインセンティブと罰則の両輪で社会に対して変化する力学を導入するものだから、そのデザインの巧拙には為政者としての素質が問われるのだろう。
  • こういった話を整理して意見を交換できるのは得難い機会だ。自分としても(客観的に見て否定の余地がほとんどないと思うが)エリート教育を受けてきた一員としてこういったことを常に考える責務はあるだろうし、もっと早くから考えるべきだった、とも感じる。

2020/09/18 (Fri.)

  • 久方ぶりに歯医者に行った。親不知の相談のつもりで行ったのだが、歯石がそれなりに溜まっているらしく、とりあえず定期的に歯医者に通おうと強く決意した。。まだ痛んでないのが不幸中の幸いなのか。
  • 週末にはいろいろと友人と会ったりする。人と会える日が異様に待ち遠しくなるコロナ禍。

2020/09/17 (Thu.)

  • 研究室セミナーがもうすぐやってくるのでスライドに手を付け始めた。まずは気分転換に数年使ってきたスライドテーマを刷新している。形から入るタイプ。一応理由はないわけでもなくて、昔からノートやらスライドやら色を使うのが好きだったのだけど、色弱を強く意識するようになってきたので、できるだけモノトーンなテーマに作り変えようとしている。
  • 昨日の組閣後の菅首相の会見で言及された「縦割り110番」が、一日も経たずして河野大臣によって設置されたことに驚いている。すごいスピード感だ。実際に意見が寄せられてそれが改善されるかどうかが重要であってそれはこれからなのだけれど、このスピード感には少し期待感が高まっている。
  • 官僚組織のトップに官僚出身でない閣僚が大臣として就く構造に昔から疑問を持っていたのだけれど、菅首相の政権演説を聞いたりしているとこれには一定の合理性があるように思えるようになってきた。行政組織は(国民が選んだわけではない)官僚で構成されているから、国民の声が直接的に届くわけではなくて、(国民が間接的に選んだ)閣僚を通して声が反映される。だからある程度強権的に閣僚が各省庁を動かすことは、国民の声が真に反映されるのならときには必要かもしれない。特に構造改革を行うとなれば、自分たちが正しいと信じて既存のシステムを作り上げてきた官僚は当然反発するだろうから。先日読んだAERAの記事では平嶋氏の主張に筋が通っているように見えるけど、この観点から見ると本当はどちらが「正しい」のかよくわからない。

2020/09/15 (Tue.)

  • ようやくバグが取れた。10日で実験を終わらせるどころか、ようやく実験を走らせられる状況まで来たので笑える。結局、PyTorchのbackwardを根本的に書き間違えていたり、特殊関数の微分の計算を間違えていたりとか、原因がわかってしまえばなかなかに虚無感が残るバグだったなあ。
  • しかし動いてしまえば、skorchの設計が良いのでサクサクプロトタイピングできる。Scikit-learnのクラス、たとえばGridSearchCVとかCalibratedClassifierCVでPyTorch実装を簡単にラップできるので、とても楽。

2020/09/13 (Sun.)

  • 自分の中での今年の夏休みはここまで。温泉行ったりぶどう狩り行ったり、サイクリングをしたりお魚や北京ダックを食べたりで、今までの人生の中でもかなり充実してリラックスできた夏休みだったと思う。京都に合計して3週間前後滞在したのもあって、街の雰囲気に親近感を感じられるようになってきた。人生何があるかわからないものだ。
  • 起き抜けの寝ぼけ眼で日経電子版のサブスクリプションを始めてみたり、携帯にニュースアプリを3つ(日経、ヤフー、ロイター)も入れてみたりした。実家では親が日経に対して熱烈に肩入れしていたけれど、いざ自分でニュース・キュレーションメディアを比較すると、確かに比較的公平性・客観性が他のメディアよりも高いように感じた。SNSで時間を浪費するくらいならニュースを見てたほうが全然ましだ。
  • 明日は自民党の新総裁が選出される。景気状況に関する評価や施策の議論がなされるにあたって景気動向指数が持ち出されているのが気になったので調べた。内実はDI等のような複数指数(例えば有効求人倍率、小売の売上高、東証株価指数など)の向上・下降率の平均のようだ。これをKPIとするならば、いずれかの指数の改善を行えばよいから、アベノミクスのように投資の活性化・株価の向上に重点を置くのは完全に理にかなっている。問題は実体経済への反映がなされているか(もっともプロスペクト理論的主観が入るので客観評価は困難だろう)、だが。ROE(自己資本利益率)をKPIとした投資における(自己株式取得のような)ハックもそうだが、評価指標の客観的な導入や意図しないハックの回避というのは、金融経済においても悩みのタネなのだろう。このへんは畑違いといえど自分の研究に大きく通ずるものがあって、興味深くある。

2020/09/11 (Fri.)

  • 今日はさりげなく9/11同時多発テロから19年目なんだな。日付を見つめて思い出した。朝のテレビでもSNSでも一報たりとも目にしていない。まあ人間の記憶なんてそんなものだよなあ。
  • 自明に取れそうなバグが取れなくて2日くらいもがいている。もっと効率よく実装を終える予定だったのに、これだと全然論文執筆に取りかかれない。
  • 日経の安倍政権下での科学技術政策に関する記事を読んだ。「選択と集中」「イノベーション」は良く聞くけれど、科学技術イノベーション戦略なんてものを毎年作っていたのか。これからは目を通すだけ通してみよう。データだけ見ると、論文数や上位10%論文は10年間で単調減少しているにもかかわらず、上位1%論文数はほとんど5%程度から変化していないのが面白い。つまり裾野が痩せているということか。
  • 上位X%論文数という評価指標、もし仮にイノベーションをKPIとするなら、(イノベーションの定義にも依るが)割と妥当な評価指標なのではないか。具体的なイメージを持つために例えばICMLで考えてみると、過去5年間の累計論文数は約3400、h5-indexは約170なので、5%分位点の被引用数が約170ということになる。Google Scholarをカンニングすると、上位1%では被引用数約800。そんな論文、日本から出てるわけないじゃん。上位10%でも怪しい。そう考えると、機械学習のような日本では非伝統的な分野では目も当てられないほど後塵を拝しているのだなあ。

2020/09/10 (Thu.)

  • 今日はAIPでのオンラインセミナー。月曜日のセミナーが受け上々だったのもあって、今日は結構やる気を持って臨めた。聴衆は60人くらいいたように見えて、いまのところ自分のオンラインプレゼンでは最多だろうか。45分の時間制約に50枚強の(比較的情報量の多い)スライドを収めるべくテンポ良く喋る必要があったので、喋り終わった後は走り抜けた高揚感みたいなものがあった。質問も結構出てフィードバックも良い。今日はここ最近で喋ってて一番気持ちの良い回だった。
  • 自分が教育に興味があるのか正直自信が持てないのもあってアカポス一筋で狙う気概が持てなかったけど、(自分の研究かどうかにかかわらず)聞いている人に興味や納得感を持ってもらうような喋りをするのは割と好きな方かもしれない、ということにここ数年で気づきつつある。作成した資料を評価される機会もぼちぼち多いので、能力も平均以上ではあるらしい。そういう点では教育業に就くのも悪くない、という方向に傾きつつある。大学教員の雑務に忙殺される日々を横目で見てるとそれでも心理的障壁は高いけれど。
  • AERAのふるさと納税導入の経緯に関する記事を読んだ。意外と導入されたのはもう10年以上も前だったのか。高所得者が優遇されるシステムであるなど、ふるさと納税の制度設計に関する懐疑には概ね賛同できる内容だった一方で、平嶋氏の発言を切り取って一個人の人格を邪推して煽るような記事タイトルは解せず、ジャーナリズムの公平性には疑問符が残る。こういう偏向的な報道姿勢は非常に鼻につく。
  • 一方でふるさと納税に関して、たとえば納税額のうち返礼品に当てられる割合の上限を法的に定めれば、必ずしも悪い制度なのだろうか。もちろん地方役所の負担増や返礼品競争の誘発は免れない点において、優れたシステムとは思わない。しかし、十分な納税額を誘発することができれば、控除額とのバランスで地方財源の増収にならないだろうか。この辺は実際にデータを自分で見てみたいところだ。

2020/09/09 (Wed.)

  • 今日はコーディングの日。まともに数値実験のコードを書こうとするのがあまりにも久しぶりすぎて(1年ぶり以上?)、全く慣れない。残念ながらscikit-learnのSGDは自作の損失関数に置き換えられず、Pytorchは少々煩雑だったりプロトタイピング用のデータセットを用意するのが面倒だったり、と思っていたところ、Pytorchをscikit-learnライクに動かせるskorchというライブラリを見つけた。今のところ自分の用途ではあまり不都合はしていない。
  • お昼どきに偶然自民党の公開政策討論会の中継をやっていることに気づいたので、少し眺めてみた。一定時間で自動的にローテーションするパネルディスカッション形式だったせいもあるかもしれないが、全体的に質問に対して答えられていない、あまり政策を考えられていないのかな、という印象は感じた。例えば自分にとって卑近な話だと、「コロナ禍における大学生活はどうすべきだと思うか」→「大学生の体験は価値が高いので守られるべきだと思う」といった調子で、具体的な政策について言及がなされないことが多々あって煮え切らない。昨日読んだ記事に全面的に賛同するわけではないけれど、昨今の自民党では政策論争の機会が減少していて政策の「空洞化」が起こっている、というのは的外れな指摘ではないかもしれない。同時に、党内や国会でどのように政策に関して議論されているのか、普段の議論の結果について興味を持った。議事録でも探して眺めるのがいいのだろうか。

2020/09/08 (Tue.)

  • 京都に遊びに来ていた元同期と一日サイクリング。京都市内の交通の便はお世辞にも良いとは言えない一方で、自転車で移動する分には比較的快適。上賀茂神社や下鴨神社を行き来すがらに鴨川沿いの遊歩道をサイクリングすると、初秋の風が心地よい。
  • いま転職するのか、何がやりたいのか、誰と過ごしたいのか、安定するべきなのか、事業に挑戦すべきなのか、漠然とした人生観について他愛もない話を交わしていた。こういった話をできる間柄は得難くてほとんどいないよね、という話でも一致した。お互いが信頼しあえるというのがとても嬉しい。
  • SNSで流れてきた週刊現代9月12・19日号「ジャーナリストの目」第475回の青木理氏の長期政権に関する評価記事を目にした。概略すると志なくして言い逃れにのみ長けた長期政権(とその政権の長期化を防げなかった国民と野党)を批判する内容だった。個人的な感想としては、首相の幼少期のエピソード等に触れるのは構わないけれど、政権評価をするのであれば過程ではなく結果を触れるべきではないのか、と思った。少なくともその部分に関しては当該記事も残念ながら「空洞」だったように思う。もっとも政権評価が目的ではなくて、政権の多数の「言い逃れ」のみを純粋に批評したかっただけなのかもしれないけれど。

2020/09/07 (Mon.)

  • 知り合いとpublication raceして負ける夢をみた。あらゆる点において胸糞が悪くて、かなり最悪の目覚めだった。
  • 起き抜けにSNSだかで見た「スコア競争とは一線を画した、他人とは違うアイデアを打ち出していく」スタイルみたいな話を必死に反芻して落ち着かせる。陳腐な謳い文句だけど、どんなに小さなアイデアでも自分にしか気づかないアイデアがあるはずだし、それって素敵だよね、と言い聞かせる。
  • 今日は生産技術研究所に招待されていた講演会だった。本当は3月に現地開催で、お世話になった松浦先生と久しぶりに雑談できるはずの場だったのに、順延で結局オンライン開催に。講演の機会があるだけ有り難いことなのだけれども、講演会は講演をすることだけが目的ではなくて、やはり人との交流の機会が必然的に失われていくのは物哀しい。
  • 講演自体も始まるまでは全く気乗りがしなかったけれど、喋ってみれば反応が良く、質疑応答も活発で嬉しい。聴衆も生研の教授が集まっていたので、面白い視点からのコメントも多かった。質疑になるまで喜連川先生がいらっしゃることに気づかなくて最初はとても焦ったのだけど、自分が考えている損失関数の解析が機械学習版の形式検証として捉え直せるかもしれない、という視点の転換が得られた。今日はいなかったと思うけれど、同じ情報科学の中でも(数学的に難しくて)敬遠していた形式検証の研究者とも雑談してみたいという気持ちが起こった。

2020/09/05 (Sat.)

  • ぶどう狩りで採れたてのシャインマスカットを食べたりした。氷水漬けの採れたてマスカット、本当に甘くて皮まで爽快感があって美味しい。果物狩りなんていったの、もう20年近く前が最後だったような気がする。

2020/09/04 (Fri.)

  • 先日安倍政権の評価についてもっと知りたいと思っていたので適当にニュース記事やコラムを漁っていたところ、この記事を見つけた。全体的な語り口としてできるだけ多角的な視点と客観的データの提示に努めていて、好感度が高かった。あと、出だしで「日本史上最大の汚点」記事に対して異議を唱えていて良い(実際のところ、主張の正当性如何にかかわらずこのような攻撃的・毀損的言葉遣いをするのはあまりにも稚拙だと思うのだが)。
  • 個人的に印象に残ったのは、安倍政権の経済・雇用に対する成果と労働生産性の関係性だ。第2次政権中の日経平均株価の大幅な向上(2.3倍)、有効求人倍率の向上(12年時点で約0.8から今年1月時点で約1.6)平均就業者人数の増加(12年時点で6270万人から今年6月時点で6670万人)といった数字に見られるように、特定の観点からは明らかに経済・雇用において成果を残している。しかし、労働生産性の観点からは疑問符が残る。
  • そもそも労働生産性とは就業人数一人あたりの実質GDPとして定義されるらしい。単純な話、雇用をむやみに増やしても企業業績が向上しなければ、労働生産性は低い。実際のところ、主要国の中で日本の労働生産性は最低水準らしい。その原因の一つとして、低賃金労働の問題が挙げられる。当然のことだが、単純に雇用を増やせばいいものではないし、雇用を増やした結果として低賃金労働が常態化してしまう恐れもある。しかしそれでも「職無しよりは低賃金でも職にありつきたい」というのが日本における価値観なのだろうか。
  • はじめに労働生産性の定義を見たときは、これを生産性と呼ぶことに対して違和感を覚えたが、しかし確かに資本主義経済においては労働のゴールが金銭を稼ぐことであるから、短時間・少人数でより多くの金銭を得られることが効率的とするのは一定の合理性がありそうだ。
  • 政権期間中には例えば高度プロフェッショナル制度の導入などによって労働生産性の向上にも取り組んでいたらしい(高プロ自体は「KPIハック」のように感じるが)が、全く知らなかった。自分は政治・経済に対してあまりにも無知すぎる。そのことに対して急速に危機感を覚えている。

2020/09/03 (Thu.)

  • 家に籠もって、ないやる気を振り絞って来週のセミナーの発表資料を仕上げた。とても時間がかかった(けど大半はやる気が出るまで待ってる時間だった)。
  • 次の論文、一応考えるべきことはだいたい考えてサーベイも主要どころは概ねカバーできていると思うので、残りは実験と執筆。実験10日、執筆10日、くらいで仕上がらないかな。

2020/09/02 (Wed.)

  • 友だちがシアトルから一時帰国したのでいつもの3人でお魚を食べた。3人とも博士学生なので、相変わらず普通の友だちとは喋らないような話、発想が聞けて面白い。
  • 相も変わらず研究と社会構造みたいな話に興じていた。たくさん喋ったので情報量の洪水だったけど、その中でもとりわけ印象深かったのは、「人間年収900万を超えるあたりから幸福度が逓減するので、年収300万の人に対して年収3億の人は明らかに有限の資本の分配の仕方として最適ではない」という論旨だった。なるほど、この発想はとても面白い。

2020/09/01 (Tue.)

  • 9月になった。相変わらず外界の刺激が少なく代わり映えのしない日々が続く。