Random thoughts in Japanese. All optinions are my own.

2022/02/28 (Mon.)

  • 次の職場にお邪魔した。京大は東大以外では最も多く訪れた大学だと思うけれど、まさかいつか職員として通うことになろうとは、当時はイメージしていなかった。
  • 引越しして一週間。引越し作業に加えてゴミの処分や必要なものの購入などで忙しいせいか、やたらと疲労が蓄積している。怒涛の2月だった。

2022/02/26 (Sat.)

  • とりあえずUNHCRに寄付をすることにした。在日ウクライナ大使館も何やら寄付用の口座を開放しているようだけれども、ウクライナに直接寄付をするのは(気持ちの問題かもしれないが)間接的にロシアを批難しているようにも見えるし、ある程度使途も収支報告も明確になっているUNHCRを頼ることにした。現状では人道支援をきちんと行うことが最優先されるべきことだろうから。
  • 就職・卒業祝いということで、二条やま岸で会席料理をいただいた。やま岸自体は去年のいつだったか、二条から烏丸御池あたりを散歩していたときに偶然見つけたお店で、いつか行ってみたいと思っていたのだけれども、ようやく諸々が落ち着いて機会に恵まれた。タコや金目鯛、鰹、白子などなど、新鮮な魚をふんだんに使った鮮やかなメニューで、どれをとっても印象深い。頻繁に行けるような店ではないけれども、また折を見て違う季節にも楽しんでみたい。

2022/02/25 (Fri.)

  • ウクライナ情勢、CNNの世論調査では半数ほどのロシア人は軍事力の行使を肯定しているし、欧米メディアでプーチン攻撃を掲げて加熱すればするほどますますプロパガンダが強まる未来しか見えない。だからこそ本当に難しい問題に感じる。一市民としてできることは、特定勢力に肩入れを行うことなく中立的な立場から非暴力を唱え続けること、そして必要であれば金銭的な支援を行うことくらいなのだろうか。
  • 京都に引っ越してきて4日が経った。引越し先の部屋が良い環境なので、そろそろ感覚も慣れてきて仕事もできるようになってきた。今日は予定より長くかかっていたJMLRの査読を終えた。まだまだ研究以外の仕事が山積している。なんとか来週くらいでケリがつけられたら嬉しい。

2022/02/24 (Thu.)

  • ついにウクライナ侵攻が始まってしまった。この1年はアメリカ大統領選に伴う騒乱からはじまってミャンマーの軍事クーデター、アフガンの陥落、ウクライナ侵攻と、国際情勢が激しく揺れ動く。個人的にはどうしてもメディアによる世論の煽りの影響を考えずにはいられなくて、特に大統領選や今回のウクライナ侵攻はそのファクターが大きいように思う。勿論暴力・武力というのは何にも増して許されるべきものではないけれども、だからといってプロパガンダによって構築された仮初の秩序やパワーバランスが許され得るとも思わない。長期的な視点から見ればWW2後から冷戦を終えて今に至るまでの絶妙な勢力均衡は、ただ今日の戦禍まで問題を先延ばしにしただけに過ぎない。この事態は避けられ得るのだろうか。

2022/02/23 (Wed.)

  • ようやく引越しが終わって荷解きも一段落して落ち着きつつある。だいぶ断捨離を行えたのでスッキリした。今日は少しだけ梅の花が顔をのぞかせ始めている北野天満宮まで散歩をしてきた。じわじわと京都での生活が始まるのかという感覚が生まれつつある。

2022/02/20 (Sun.)

  • 昨日の夜は高校の部活の友だちと会った。対面で会うのは二年ぶりなので最近どうしてるかなと思っていたのだけれども、研究や仕事の話を聞いてもあまり盛り上がらない割にゲームの話でずっと盛り上がっていたのが少しショックだった。別にゲームの話で盛り上がるのを見下すつもりは一切ないのだけれども、単に仮にも大学院や博士課程まで来てるし、何年も会っていなかったのだから、悩んできたことも含めてもう少しそういう人生観を聞かせてほしかったのに何も出てこなかった。ここ最近会ってきた友人知人らからはそれ相応に色々な業界で考えている話を聞けてきたので、幾分か肩透かしを食らった気分になった。

2022/02/18 (Fri.)

  • 後輩の研究ディスカッションからゆるゆると人生相談まで、通しで6時間話していた。これだけ長く話すとだいたい集中力が切れて生返事になってしまいがちで反省していたものだが、今日はなんとか6時間集中力を保てた。一つの成長。後輩はなかなか研究が一筋縄ではいかなさそうで、僕自身もあまり決定的な助け舟を出せずにいてもどかしさはあるのだが、僕の方はといえば情報幾何の勉強をさせてもらって、正直一方的に貰ってしまい申し訳無さはある。双対平坦幾何は射影の一意性を保証できる嬉しさがあることを学ぶなどした。そして今日をもって研究室に行くのは最後になってしまった。
  • 次々と不要な家具を処理しているので、部屋ががらんどうとしてきた。キャビネット等、上京してから9年間使い続けてきた物品を手放すのはいかんとも物寂しさを感じる。ラディカルに考えれば自分がどんどん身一つに近づいている。所持品や家などというものは空虚な実体だ。

2022/02/17 (Thu.)

  • いらない家電を売ったり処分したりして、ようやく引越しできそうな雰囲気がしつつある。3年ぶりの引越しだけれども、こんなに引越しの準備は大変だっただろうか。
  • 今日のお昼は高原さんとランチをした。先日読んだ高原さんの修論を受けた雑談の続き。いくつか気になっていたことが議論できて良かったのだけれど、特にハインリヒ・リッケルト『文化科学と自然科学』を紹介してもらえたのがよかった。人文系学問と自然科学系学問には定量評価を用いるのかそうではないのかという差異があるけれども、どちらも何らかの意味で科学であるということを主張しているらしい。この辺りは長尾先生の考え方ともまた相反するところでかなり気になる。
  • なんと卒業式の修了生総代に選ばれたらしい。安田講堂の壇上に上がって答辞を読むのだろうか。想像できない。修了生を代表して自分が考えてきたあれこれを喋る機会が与えられたことは素直に嬉しい。エリート批判の文脈でいくらでも喋りたいことはある。

2022/02/15 (Tue.)

  • 一週間ぶりの大学。北海道から帰ってきたという実感もあまりわかなくて、なんだか気持ちがふわふわしている。
  • やるべきことをリストアップすると、思っていたよりも忙しい気がしてきた。引っ越しは勿論なのだが、この季節は油断していると査読と発表が重くのしかかってくる。

2022/02/14 (Mon.)

  • 東京に戻ってきた。オホーツクいた間のことは別の日記にまとめた。東京生活もあと一週間。
  • 一週間の旅行の間に意識的に本を読み進めて、スピノザ『エチカ』の上巻と、高原さんの一高校友会雑誌に関する修論を読み終えた。宿に着いては本を捲り、朝日が昇る前に目が覚めてしまったら本を捲り、昼ごはんを食べながら捲り、バスを待ちながら捲った。
  • 高原さんの修論を読めたのは個人的にも良い経験だった。これまで数十ページにわたる人文系の論文を通読する経験はなかったので。思想史の論文の体裁や論調を知れたのもあるし、明治中期の日清・日露戦争間に生きた若者の思想と悩みに対する解像度が上がった。結局この時期も国威発揚の結果として(孤立主義的でない、克己をベースとした)個人主義の胚胎によって、奇しくも個人に要求される社会的な重圧が増してしまい、それが明治期の青年の「煩悶」に繋がったのではないか。高原さんの論調と、その周辺の資料から、そのように感じ取れた。
  • 個人主義が本当に良いものなのか、わからない。フランス革命によってもたらされた「自由」という言葉の流麗な響きに人々は信頼感を寄せるけれども、21世紀になった今でもその内実は市民によって真剣に検討されたとは言いづらく、いまだに一歩間違えた瞬間に丸山眞男の言う「無限責任」に陥りかねない、非常に生きづらい世の中になっているんじゃないのか。家族の鬱病とも結びつけて考えずにはいられない。

2022/02/06 (Sun.)

  • 引っ越しの準備に手を付け始めつつ、ふと明日から北海道に行くことに気づく。北海道に一週間、東京に一週間、それで引っ越し。もうたったこれだけしか東京に、今の家にいないのか、と思うと、急に物寂しさを感じ始めた。今日も少し時間があったので久しぶりに蔵前に来た。蔵前も記憶が正しければ去年の11月ぶりくらいだろうか。ここ2ヶ月は博論や論文投稿で忙しかったから。こうやって余裕ができたときにはもうあまり時間がないし、ぶらぶらと散歩しながら考えていると、東京にいる時間を自分の足でしっかりと踏みしめる間もなく勝手に過ぎ去った錯覚を覚える。いつになったら自分の人生の時間を自分の手で握りしめて、足で踏みしめられるようになるだろうか。
  • 東京を離れると思うと孤独感を感じるけれども、その孤独感を埋めるためだけに誰かに頼ってしまうと、いつまでも自分の自己に対峙できないような気がする。いっそとびっきりの孤独に浸って乗り越えたい気持ちもする。
  • 明日からのオホーツク滞在中はできるだけデジタルデトックスをする。滞在記は一週間後にまとめる予定。

2022/02/04 (Fri.)

  • 昨年末に理研CBSでディスカッションしていたときになんとなく思いついていたアイデアに関して手を動かしてみた。純粋に研究をやるのはもう夏休みぶりだろうか。久しぶりにスクラッチから手を動かそうとするといつも手の動かし方を忘れているので、今回も例に漏れずなかなか手を付けられなかったが、計算してみると思っていたよりもすんなりと面白そうな結果が得られそうなことがわかってきた。何より、昔研究室の先輩がq-代数をやっていたのを修士生ながら遠巻きに眺めていたのが、5年越しになってついに伏線が回収されそうになってきているのにノスタルジーを感じる。自分も遠くまで来たものだなあと。

2022/02/03 (Thu.)

  • 博論審査も無事専攻会議を通ったらしいので、残すところはあと製本が完成するのを待つのみになった。ここ数日はミニシアターに行ってみたり、芸大の卒展に行ってみたり、弥生美術館に行ってみたりした。なんだかんだいって普段は仕事に集中していて、こういう場所を訪れるような余裕がなかったのだなあと思わされる。
  • ぼんやりと歩いていると、今歩いている道、食べているレストラン、訪れた美術館、眺めている建物、すべてがもうこの人生で最後とは言い切れないんだ、と強く感じる。もうすぐ東京を離れるからというのと祖母が逝去したのが同時にやってきて頭を離れないので、なおのこと強く感じる。人生に無駄な瞬間など一時たりともない。

2022/02/01 (Tue.)

  • 2月になった。東京で過ごすのももう実質10日しかない。
  • 東京を離れるからと思って親しい人を誘ったり誘われたりで会うのを10月くらいから続けてきたが、若干食傷気味になっている。会いたくないわけではないけれど、いくら親しい人と言えども体力は必要になる。結構お腹一杯になってきたので、あとは一人で街をぶらぶらする時間を大事にしたいと思う。