Random thoughts in Japanese. All optinions are my own.
2026/02/06 (Fri.)
- 山田さんと早朝に雑談した(前回: 2025/12/10)。やはり学生指導の仕方で悩む。本人にやる気があっても、悶々と同じところから先に進めないとき、果たしてどうすれば良いんだろう。学生と教員は違うタイムスケールで生きていることは認識しなければならない。彼ら彼女らが否が応でも置かれている publication race に対するプレッシャーの環境を理解し、共感し、そこから話は始まるのだと思う。「3年で1本論文が書ければ良い」なんていうのはアガリの研究者の理想論であって、それは現実的ではない。研究は本質的には楽しいものだが、しかし食い扶持を要領よく稼ぐことを度外視しては持続可能ではないのだ。
- 締切を終えた開放感と、学生に対する責任由来の焦燥感と、複雑に入り混じった感情を抱えながら、一週間の立川出張を終えて帰路につく。これからどう生きるか。
2026/02/05 (Thu.)
- 論文の投稿に間に合った!心のなかでは残り時間を目算しながらやっていたものの、本当に間に合ったら間に合ったで思わず驚いてしまった。数日前は結果の自明さに相変わらず精神的に苦しめられていたけれど、初稿が出来て校正し直していたら案外クリアな証明で非自明なことをやっているように見えてきたので、自分の中では満足した。初稿出来たてほやほやで校正も2時間くらいしかやっていないけれど、良い仕事をしたという自負は持てたので、最早結果がどうなろうと悔いはない。
- そして今年はついに COLT の査読に呼ばれていたのを思い出した。初投稿から6年、ようやく。査読依頼が来て嬉しいと思うなんていつぶりか。外様がリジェクトされては毎年コツコツと論文を投稿し、発表もないのに聴講だけでも学会参加し、コミュニティの研究者とは学会の内外でディスカッションをし、その努力(?)の末に。自分でも不思議とわからないが COLT コミュニティには憧れがずっとあり、だからこそ査読者として受け入れられたのはコミュニティの入口を跨ぐことであり嬉しい。
- 学生とのディスカッションをそのまま終えて、締切が終わって流れで研究所の学生数人とディナーに行って、その席で学生同士が話をしているときに、「最近研究の調子はどうか」と聞かれた僕の学生が「stucked」と一言漏らしたのを見て、心に重くのしかかった。僕とのディスカッションでは直接はそういう姿を見せないものの、薄々その心境は察するところがあって、でも今のところ本質的に研究を進める妙策もなく手をこまねいてしまっている。博士課程3年のうちの4ヶ月、決して短い時間ではない。率にして 10% 強。指導教員としての不甲斐なさを感じる。だからといって僕がこの研究をやれあの研究をやれと全ての段階を指図するのも合理的な指導ではないだろうし、本当にどうしたものか困っている。
- 今日論文を書ききったのをもって、来期は自分の新しい研究を始めるのは少しやめようかと思う。そのかわりに学生の研究にもう少し力を入れて、有望な方向性を示すところまで貢献するべきな気がする。たぶん春休みに授業準備もしなければならないし、ちょうど良いタイミングと思って教員としての研究者の立ち振る舞いとは何なのかを学ぶ充電期間にする。
2026/02/04 (Wed.)
- リアルに16時間くらい論文執筆と証明の修正をやっていた。一周回ってこんなにも没頭できるということは僕自身がよほど研究に対してやり甲斐を感じていることの証左なのだろうと思うし、なぜそこまで熱中できるのか自問したくなった。そして日も越え締切20時間前でようやくアブストラクトまで書ききって初稿完成、急いでサブミット。一度寝て、明日の空き時間で頑張って校正する。
- 気合いがないとやってられないし、なんでこんなに気合いが入るのか自分でも不思議だ。
- 作業に没頭している折々で体の節々が稀に少し疼いたりすると、日頃は全く気にしないけれども、これだけ根詰めて仕事している最中だと何かの発作かと一瞬不安になる。99% 問題はないだろうとはいえ、気づけばもう三十路、体に鞭打って走り続けるべきではない。あと一日、これを乗り切ったら体を労ろう。絶対に。
2026/02/03 (Tue.)
- 10年前、当時学部4年だったときに夏休みにはじめて論文を読んでブログにまとめていたときに読んでいた論文、“no bad local minima” というタイトルからしてずっと記憶の片隅には残っていたのだが、今日論文執筆の途中でサーベイしていたら Soudry のテクニカルレポートだったことに気づく。唐突にエモーショナルな気持ちになる。10年前、機械学習理論を欠片もわかっていなかった20歳のとき、まさかその著者と侃々諤々の議論をする (2025/12/04) なんて、想像が全くできなかった。人生の10年、振り返ればこんなにも長い軌跡を歩んできたのだ。
- しかしそんな悠長なこと言ってられない。ひたすら書く、書く、書く。締切48時間前の夜、原稿はまだ8ページ目。証明の細かい計算が終わったのも締切60時間前くらいのこと。自分史上最もギリギリに論文を書き上げようとしている。果たしてまだ本当に間に合うのかどうかわからない。
2026/02/01 (Sun.)
- 残り3日、急いで駆け込みで証明を仕上げていく。思うようにスピーディーにはいかないが、着実に少しずつ良くなっている。下界とタイトになることも確認できた。こういうのは LLM に聞いても禅問答みたいになるので、人間の直感が正しいガイダンスとして機能しものを言う場面だなと感じる。正しいガイダンスさえあれば、LLM はけったいな積分計算でもものともせずに解いてみせてくれる。今のところ一研究者としてはより良い時代になったという実感のほうがまだ勝っている。