Random thoughts in Japanese. All optinions are my own.

2026/04/07 (Tue.)

  • 昨晩は JST 関連で担当者が統数研まで来たので、その流れで誘われて飲みに行ったが、3時間飲んで結局ゴルフの話とか酒の話とかそんなのばかりでげんなりした。研究の話とか、そこまで技術的な話でないにしても研究業界の進むべき方針とか国策とか、もっともっと危機感を持って喋ったほうが良いことは色々あるだろうに。研究者は研究者で好きな研究をできるのは個人レベルとしては嬉しいことではあるものの、国・コミュニティとしてどういう方向に進むべきとか考えなきゃいけないのに、教員個人の生活・趣味レベルの話に終始しているのはちょっとどうかと思う。
  • 久しぶりに研究ノートを開いた。約50日ぶり (2026/02/19) だった。ボールペンが指に吸い付く感触すら新鮮になっている。書き始めてすぐに、これだ、この紙にペン先を押し付けている瞬間がないと物事がまともに考えられない、という気持ちを取り戻した。
  • 今日の午後は学生の研究のことをずっと考えて計算などをしていた。楽しい。他人の研究に積極的に時間が使えるほど興味を持てていることが、自分の内面の変化として喜ばしいし(当然トピックが僕に寄り添っているからという前提はあるにしても)、どれも勉強になる。

2026/04/06 (Mon.)

  • 立川に来た。シンガポールから招いていた学生は週末非常に体調が悪かったそうで申し訳なかったが、今日にはすっかり良くなったようで、ランチを一緒に食べた。会うのは去年僕がシンガポールに行った時ぶりか。元気そうにしていたし、話し始めてすぐに研究のディテールな話になったのも相変わらずで良かった。
  • 彼の研究の着眼点はいつも面白いし、本来なら loss function の研究を長くやっている僕がもっと良い研究をやりたい、と嫉妬させてくれるのだけれど、それでもやはり業界の雰囲気は気になるようで、理論研究が今後どれくらいまだ意味のあることができるのかが心配そうだった。僕からは A Unifying Theory of Distance from Calibration の話をしておいた。さしあたり理論研究が最も意義を持つ役回りは、問題のフレーミングだと思っているから。しかし彼の懸念は最もで、米中のみならずシンガポールでも、また知り合い伝手に聞く限りでは少なくとも韓国やスイスでも、若手が理論研究をやるのはもうほとんど無理。研究費を配る側からしたら当然だとは思うのだけれども、モヤモヤはしてしまう。まず、そんな国際的情勢の中で日本は相対的に理論研究者にとって生きやすい環境だと思うのだけれど、それは個人レベルでは良いとして、国家レベルとしてはますます今後斜陽まっしぐらなのではないか、と思ってしまう。理論研究にいくら意味があると信じていても、反射神経的に「研究者の好奇心という名の『遊び』にお金を費やしていていいのか」。でも一方で、諸外国が LLM 研究に圧倒的な資金を投入してみなが自分の本当にやりたいこと(があるのか知らないけど)を抑えて必死に LLM 研究に身を投じるのが、ミクロに見て本当に幸福に繋がっているのかはよくわからない。個人レベルの幸福感としてもそうだし、LLM って確かにすごいとは思うけれど、そんなに盲信するほど巨額の投資ができる対象なのか。社会・倫理的帰結を考えると結構怖いと思うのだけれど。逆に理論研究者としてはそこに逆張りするような理論を展開する活路は見いだせるのかもしれない。LLM の本質的な限界を明らかになるよう定式化し、そして研究活動のガイドラインを示すような。
  • そんな中、今日も LLM で 100% 生成した査読に出くわした。またもやシニアな教授。本当によくこんなことを正気でやれるなと思う。

2026/04/05 (Sun.)

  • 天気も良い、桜の時期でもある、とこれみよがしに彦根に出かけて花見に行ってきた。彦根に定期的に赴くようになって一年超、念願叶って彦根城に入ることができた。現存12天守閣の風格は圧倒的で、姫路城、松山城のような天守閣の美麗さが近づくことでなおのこと際立つ。桜のカーテンも大丸を埋め尽くしていて圧巻だし、人もそんなに多いわけではないのでゆっくり見れるし、来れてよかった。

2026/04/04 (Sat.)

  • たまたま3日で5コマも車校の教習が予約できたので、教習が一気に進んだ。1日に2時間も運転するとだいぶ疲れる。時間も意外に使っているので、仕事のほうがやや滞ってしまっている。リバッタルの議論をまとめないといけないが、area chair だと10本超えの論文を同時に見なければならず、しかもだいたいどの論文も著者と議論が揉めているので、裁定が大変。

2026/04/03 (Fri.)

  • 先週のフランス大使館での一悶着から今度はイタリア領事館にビザの申請に来て、ついでに梅田の公園まで足を伸ばしに来た。二年前にイタリア領事館に来たときはあまり印象が良くなかった記憶があるのだが、今回は面接のイタリア人が気さくな方で、親身な態度でビザ申請書類を処理してくれて印象がとても良かった。別に領事館が接客業をしてほしいとは思わないけれども、日常的に他者に接する程度の礼儀は持っていてほしいと思う。領事館はその国への「窓口」のようなものだから、領事館の職員の態度が悪いのはそのままその国への悪印象に直結すると思うのだけれど。
  • エリアチェア業務に少しずつ手を付け始めた。稀に自分の過去の論文をえらい丁寧に議論して拡張している論文に出くわすのだけれども、当の本人は5、6年前の論文に関してはもう熱が冷めてしまっているので、なんというか申し訳ないような気持ちになる。非常にありがたいんだけれども。ただ翻って自分の特定トピックに対する興味が長続きしないことは困ったものだと思っていて、それが一貫した研究テーマに繋がらない大きな原因だと思う。みんなどうしているのだろう。まあ自分自身の過去研究に満足しきってしまったら、それ以上研究する動機がなくなってしまうという見方もあるけれど。
  • ぼんやりとしていたら学生から履修登録希望の連絡が来たので、今期無事講義が開講されることはほぼ決まった。興味を持ってくれる学生がいるのは嬉しい一方で、初めての正規の講義ということでそこはかとない不安はある。

2026/04/02 (Thu.)

  • 今日もミーティングの合間を縫って講義資料を作り続ける。凸解析パートが終わりそう。凸共役の勾配の全単射性 (2024/06/07) の証明をきちんと追って書き起こした。途中で凸共役勾配のドメインが開であることを示すところだけ、(ブラウアーの不動点定理から従う)トポロジーに依存した高級な道具を使わざるを得ないポイントが一つあって、面白かった。閉とか開って数学を学び始めたときは大した違いではないように感じられるのに、勉強すればするほどとんでもないほどの違いがあることがわかってきて、自分が数学をやっていて特に面白いというか意外性が大きかった点かもしれない。

2026/04/01 (Wed.)

  • ひたすら講義資料を作る。Crammer-Singer loss の calibration analysis とかそういえば追ったことなかったし、細かいようだけれど下半連続性の同値な性質の証明もやったことがなかった。こういうのは地味だけど一度は手を動かしてさらってみると学びがある。